植木鋏の中でも、刃に厚みがあり、しっかりとしたホールド感覚がある京型の植木鋏です。現在のラインナップは、全長7寸(約210mm)、刃の長さは72mm、青紙2号のものだけです。
鍛造の熱処理を丁寧に行い、青紙鋼ならではの強い刃を生み出している製品です。カシメは京都の代表的な鍛冶屋が作るものと比べると締まっている方式です。菊座は手打ちとタガネで作られており、手作りの温かさが見た目にも感じられる鋏となっています。
現在、刃には二代目の悟さんの方針により二段刃になっていません。グラインダーでなく手研ぎで刃の形状を生み出すことで、本職の使い方ならば小刃を必要としない作りになっています。※ひねる、こじる、対象外の針金を切るなどはおやめください。
美しい京型の植木鋏を持つと、仕事や趣味の時間がとても豊かな気持ちになることをあらためて伝えてくれる製品です。
「ずっと手作りを続けますよ。それがうちのモノづくりやき」と2代目の笹岡悟さんが話す通り、笹岡鋏製作所の製品はすべてが手作り。しっかりと槌もしくはベルトハンマーを使って鍛えて製品を作っています。焼き入れや焼き戻しの温度管理も人の目で行い、鋼を硬化させて粘りを生んだ刃物は、切れ味が抜群。それでいてしなやかさも併せ持つ、まさに手作りだからできる製品ばかりです。
日本全国に笹岡鋏製作所の植木鋏やキリバシを使う職人さんがいます。それだけ支持されているのは、使い手の意見を細かく聞き、それに応えるモノづくりをしてきたから。初代のつながりから京都の刃物屋へ初期から池坊花鋏や植木鋏を納品していたこともあり、本職が特に好む京型の生産をずっと続けてきました。そのような経緯があり、植木鋏だけではなく、キリバシや最近生まれた瓢箪型もラインナップしています。
創業1970年。初代の笹岡英二さんが堺の鋏鍛治で12年修行して高知に帰り、開業したのが笹岡鋏製作所の始まりです。土佐は刃物の名産地ですが、その中心地は高知市の北側にある香美市です。対して、笹岡鋏製作所があるのは、高知市の西側にある仁淀川沿いの、いの町。地域では少ない鍛冶屋として、鋏だけではなく包丁や農具など、地域の人たちが必要とするさまざまなものをチャレンジ精神旺盛に作り続けてきました。二代目の笹岡悟さんは、使い手の声を聞いた丁寧なモノづくりが得意。この二人の特性が相まって、チャレンジ精神旺盛で丁寧という笹岡鋏製作所の特徴が生まれています。
京型210mm・青紙2号 | |
全長 | 210mm |
刃の長さ ※1 | 72mm |
重量 | 330g |
構造 | 割り込み |
刃の鋼 | 青紙2号 |
地金・柄の材質 | 極軟鉄 |
※1 刃先からカシメの中心までの長さを計測しています。