笹岡鋏製作所について
チャレンジ精神旺盛できめ細やかなモノづくり
初代の笹岡英二さんは、地域に唯一の鍛冶屋を開業。修行して身に付けたのは華道鋏や植木鋏でしたが、地域の人々の声に応える中で包丁や農具も作り始めたそうです。誰にも習っていないものを作り始めるために必要なことは、研究と試行錯誤。その結果、英二さんは地域に必要なさまざまな刃物を作るようになっていきました。その流れを受けて2代目の笹岡悟さんもたくさんの刃物を作りますが、どんどん幅を広げるというよりは使い手の声を丁寧に聞くきめ細やかなモノづくりを得意としています。親子2代、それぞれの長所を活かしながらのモノづくりは、チャレンジ精神旺盛できめ細やかという笹岡鋏製作所の大きな特徴となりました。また、悟さんは地域のまちおこしや四国のモノづくりを盛り上げるサポートもしており、その中で生まれたのが木工作家さんとのコラボレーション作品の包丁、SANUKI NO MEGUMIやTOSA NO DAICHIに結びついています。
創業は1970年。以後、半世紀にわたり切れる・愛用される刃物を追求
堺の鋏鍛治で修行を始めたのが15歳の頃。初代の笹岡英二さんは、12年の修行期間を経て27歳の時に高知県いの町で鍛冶屋を開業しました。堺で修行した流れもあり、京都の刃物屋に華道鋏や植木鋏を作って納品していたそうです。そのうちに鍬や鋤、各種包丁を作り始め、仁淀川沿いということもあり、今では渓流ナイフなども作っています。刃物業界はオイルショックやバブル崩壊の影響を受け、土佐もまた鍛冶屋の廃業が相次いだそうですが、高い技術を持ち、使い手に対して丁寧なモノづくりを行なってきた笹岡鋏製作所は、その困難な時期を生き延びました。時代が大量生産・大量消費に向かっていく中、丁寧に使い手と向き合ったモノづくりを行なってきた結果、今では土佐中で唯一の鋏鍛治としてその名は全国に知られるものに。手作りにこだわったモノづくりは、今や人々から求められるものになっています。