A型と並び、明治期からの歴史を持つB型も、飛庄が製造を得意とする剪定鋏です。刃もボディも1本の鋼材から生み出す全身鍛造で作られていますが、材料には高級刃物鋼を使用。しっかりと鉛バスで焼き入れを行い、切れる刃に仕上げています。
最大の特徴は、鋏の中心線がセンター付近に固まっていること。持ち手の中心、ボルト部分、刃先が真っ直ぐのため、テクブを縦にしても横にしても意図したところに差し込みやすく、プロから隠れた人気を誇る鋏です。
通常は体型により200mmと180mmのおすすめを変えますが、180mmは体格が大きい庭師にも愛用者がいます。
※基本的に黒打ちのみの取り扱いとなります。
剪定鋸と飛庄B型180mmだけでほとんどの仕事をしてしまう庭師の知人がいます。彼は小指より太い枝は剪定鋸で、それより細い枝は小回りが効く飛庄B型180mmで剪定するそうです。何年もかけてたどり着いた最終形態とのことです。
鉛バスによる焼き入れのメリットはふたつ。脱炭を減らせるため鋼材の硬度を下げることなく焼き入れてできます。また、温度管理が可能なため、常に一定温度での焼き入れが可能。失敗した刃になることは、まずありません。
飛庄は剪定鋏鍛冶としては4代、刃物鍛治としては10代続く、山形の老舗鍛冶屋です。山形県は現在まで続く、日本を代表するフルーツの生産地。飛庄の初代は果樹園や養蚕に使う鋏を生産していましたが、切れ味の良さから本職の庭師にも使われるようになっていきました。独自の熱処理と光沢技術は代を重ねるごとに改良が加えられ、現当主の飛塚大貴さんのモノづくりのモットーは、「質実剛健であること」です。
B型 | 200mm・黒打ち | 180mm・黒打ち |
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全長 | 200mm | 180mm |
刃の長さ ※1 | 61mm | 51mm |
重量 | 225g | 200g |
構造 | 全鋼 | 全鋼 |
刃の材質 | 高級刃物鋼 | 高級刃物鋼 |
持ち手の材質 ※2 | 高級刃物鋼 | 高級刃物鋼 |
※手作りの製品のため、多少の誤差はございます。ご了承ください。
※1 刃先からボルトの中心までの長さです。
※2 全鋼製品は刃と持ち手が一体構造なので、それぞれ同じ材質になります。