長く切れる、丈夫、研ぎやすい、錆びにくいと良いことづくめの包丁です。ですから、特別に変わった形状ではない牛刀ですが、キッチン用だけでなく、キャンプや釣りにも最適な包丁といえます。ATS-34はナイフ鋼材として有名で、どちらかといえば青紙鋼や白紙鋼と比較すると硬度を出しにくいとされています。しかし、シビアに温度を見極めることで、それらの安木鋼に勝るとも劣らない硬度を獲得することに成功しました。それが、この貴輔のATSシリーズです。
この包丁は、貴輔のATSシリーズの中で、西洋包丁の牛刀です。長さは330mm、刃渡りは190mm。切先に従ってアールが付けられたスタンダードな形状で、柄には和包丁の紫檀八角柄が据え付けられています。色は珍しくワインレッド系でキッチンのデザインや使う人の性別の区分けなく多くの人に愛用いただける作りになっています。
購入時の状態でも長切れがするATS-34シリーズですが、刃物は研ぐことでその真価が発揮されます。研ぎ易い鋼材といえば白紙鋼ですが、ATS-34も研ぎやすさは別格。砥石の上にスッと乗り、ステンレス系鋼材と思えないほど素直に刃がついていきます。研ぎ上げるまでの時間もかつてないほど短く、しかも簡単に刃が付きます。研ぐことが楽しくなる包丁です。
※以下の記事は事実ですが真似をしないでください。 木材を叩き切った後に、紙がスッと切り落とせるほど頑強な刃を持っています。これ以上の硬度と粘りの双方を兼ね備えた刃を見る機会はまずありません。ATS-34はナイフ鋼材として有名で、どちらかというと最新ではないステンレス鋼材です。ただ、その真価を知る前に次の時代がきてしまったようで。本当の価値があまり広がっていないようです。そのポテンシャルを引き出すには、人の手による鍛接と鍛造でATS-34の硬度を極限にまで引き出す必要があります。おそらくATS-34とSUS系ステンレスを人の手で鍛接できる人はほぼいません。その貴輔ならではの技でATS-34の魅力を極限にまで引き出しています。
長年にわたる独自の研究から鋼やナイフ鋼材、ハイス材など各種材料の研究を積み重ね、刃物に使用されるほぼすべての材料のポテンシャルを引き出すことに成功した間中俊輔さん。これまで5代続いてきた間中刃物鍛錬所(旧称、間中刃物店)の製品をカネマ、ハイクラスな素材を使い、独自の感性で製造する製品を貴輔として世に送り出しています。特に人の手では不可能と言われたステンレスのナイフ鋼材とステンレスの地金を鍛接して作られた製品は、錆にも強く砥石にもよく乗り、好評を博しています。青紙鋼、白紙鋼、各種ハイス材を用いた刃物もスペシャルな逸品です。
190mm | |
全長 | 330mm |
刃渡り | 190mm |
重量 | 150g |
利き手 | 右利き |
構造 | 割込式 |
刃の鋼材 | ATS-34 |
地金の材料 | SUS系ステンレス |
柄 | 紫檀八角柄 |
※手作りの製品のため、多少の誤差はございます。ご了承ください。