小さい鋼材や薄い鋼材は熱の回りがとても早く、熱が上がる時には温度が急上昇し下がる時は急下降するため、非常にシビアな温度管理が要求されます。金高刃物老舗は、その小さな刃物づくりが非常に得意。熱した鋼の色を見極め、手早く作業を進めます。
金高刃物老舗の鍛冶場は、ひとたび作業スペースに入れば、ホドも、スプリングハンマーも、金床も、鋼切りも、すべてが体を回転させるだけで作業ができるようにレイアウトされています。これはすべて温度変化が激しい小さな鋼材を扱うための工夫。今日も作業場で刃物を作る鍛冶屋の音が鳴り響いています。
池ノ坊本家・頂法寺(六角堂)の向かいにある刃物店であり鍛冶屋の金高刃物老舗。歴史に残っている限りでは戦国時代から江戸時代に今の岐阜県あたりで刀鍛冶をしていた藤原金高に端を発します。その後、分家で京都に移り住んだ祖先が日本剃刀鍛冶を開業。以後の代は、刃物商と研師を7代続けて現代に至っているそうです。現代は兄の山田和宏さんが当代で研師、弟の佳孝さんが鍛治師を務め、佳孝さんは日本剃刀やリード削りなど小さな刃物を得意としています。
上作・一寸二分 | |
全長 | 185mm |
刃長 | 85mm |
刃幅 | 36mm |
刃の形状 | 片刃 |
利き手 | 右 |
刃の鋼 | 白紙2号 |
柄 | 朴 |
※ 手作りのため微細なサイズのズレはご了承ください